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どらっぐてーぶる

あべの安正の小部屋

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手は合わせた。

そのうち行こうと思っていたが、今日に機会があったので行って来た。


難波ウインズの真裏にある一本の通り。非常線と警察車両に囲まれた一角に、取材用の脚立とカメラを持った人が多かった。
場所だけでピンと来た人もいるだろうか。
DVD観賞個室店「キャッツ」のあった場所だ。建物はまだ健在しているが、壁面が焦げた壁が事件から日が経って無い事を示している。勿論、テレビで流れる画像はブルーシートで覆われた中だから、通りに面していてもその中は見えない。
恐らくは、事件当初からシートの中は見えないだろう。

「生きるのが嫌になった」
そう語った男が放った火は、何の関係も無い人の命を15個奪った。
死を望む者が生き残り、およそ何の罪も無い者が死んだ。
様々な思いがあるだろう。
亡くなった方にも様々な生き様が有り、そして其処で潰える人生だとは思ってもみなかっただろう。
残された人々は理不尽な事件に憤りと悲しみを覚えて、どの様にしても、罪無きとは言い難い男への憎悪は募る。
何故。そこに。その時。何ゆえに。居た。入った。他の選択は。何故彼ら。何ゆえ・・・。
死に恐怖し、死は受け入れ難く、罪を重ね、生を繋ぎ、されど死は・・・。

哀れすぎる。
その15個の魂は己が消滅した事すら知らず。
望まれるべく還る場所は、涅槃の園か彼岸の岸か。
それとも家族、友の居た所へか。
その命、せめて安らかならんことを、ただ祈る。
祈るだけだ。

華やかな繁華街の一本裏手で起こった事件は、その被害の大きさと起こされた起因の勝手さにより、人の心の中に黒く粘つくモノを広げていく。

一歩間違えば、その小さな部屋に居たのは自分かも知れない。
一歩間違えば、その部屋に火を放ったのは自分かも知れない。
一人でも救えたかもしれない
一緒に死んでいたかもしれない。

今、無関係に一切の繋がりを持たぬ者が、形だけ手を合わす。
献花台にある花と飲み物だけが今は繋がりか。
数歩も行けば人込みと繁華街。
そして何時しか我も、その事を忘れいく。

負の連鎖の果てに堕ちていった男には、死より辛い生が待っている。
幾度も繰り返される陳述と裁判に気が狂うかもしれないだろうが、それでも許されない。
本当に死んでおくべきだったと後悔するかもしれない。誰も殺してくれないのだから。
死は、他人の手に預けられ、己という入れ物だけが壊れかかった精神を現実に繋ぎ止める。
口先で死を拒んだ者への報い。
誰よりも正への執着と逃避を望んだ者への裁き。
その、残りの人生なるものが、苦痛と凄惨に彩られるよう。


されど我も堕ち行けば罪なる肉の塊り。
努努、忘れぬよう。
その手の中の祈りは手向けられる者と、我自身に。
努努、忘れぬよう。

忘れぬよう。祈る。


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