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どらっぐてーぶる

あべの安正の小部屋

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何気に相撲見てた。

大関の琴欧州が優勝した。
初土俵からみれば早いほうだし成績も悪くない。ただ、恵まれた体を持ちながら苦戦していた感は常にあった。
外国人力士の特にアメリカやヨーロッパ諸国出身の力士の共通する足場の不安定さだった。しかし琴欧州にしてみれば、その不安は顕著では無かったとも言える。
上半身の造り、体重を増やす為の脂肪層が分厚すぎない。
角界最高身長を持つ身体には、丸く貼り付けた脂肪の塊りが殆んど着いていない。むしろ力士の身体にしては細すぎる風に見える。
それからその身体を持ってしても、稽古や本場所での怪我、それも脚や膝といった部分に不安を抱える。
幾人にも増えた外国人力士の殆んどが膝には不安を持つ。
好調と不調の波を繰り返すのもそれが一因だと思う。

さて、今場所の事欧州は・・・先場所や大関昇進時の感じた勝ち切れない弱さを表に出す事無く11日目まで進んでいた。もちろん連勝で。
そして昨日の12日目で1敗してしまう。勝ち負けより、自分自身の弱さが出たのだろう。
琴欧州の勝ち切れない部分の一つが緊張に向き合う時に慎重になりすぎる傾向がある。
その身体があっけなく棒立ちになり身体が伸びたとき、既に足に踏ん張る所は無く、腰を落とす間も無かった。
長身で有るが故の弱点は、のど輪や張り手による上半身の起こしに見て取れる。重心も高い為だが、身体が伸びてしまうと相手に懐まで入られる。そうなると角界最高の身長が徒になる。
全ての力士が自分より小さい。
懐で組まれてしまうと脚を絡める技や身体ごと落とす技に屈してしまう。
勿論、その辺は身体を武器とした力士だけあり、組み止めてからマワシを引いて膂力による寄りと吊りを歯発揮すれば良いだけだ。
今場所はそれに加えて膝の調子も良かったのだろう。余裕があった。

今日の取り組みはその良い例だろう。
相手にはモンゴル人力士でも業師で掴み所の無い安馬(あま)。横綱朝青龍にも似たトリッキーで早い相撲の使い手だ。やりにくい上に、安馬も好調を維持している。この安馬は先日朝青龍を破るほどだ。
そして破れた琴欧州は昨夜、師匠を前に涙を流し猛省したとか。
テンションの上りと下がりを考えれば50・50だったろう。
だからこそ、緊張の最中の事欧州の動きに目を奪われた。

迷い無く相手を見据えた視線に動揺の動きは無い。むしろ、集中し、業師がどう動くかを仕切り前から探り入れたかの様だ。時間一杯から手をつく。
先日の合わせを嫌う「待った」を思い浮かべた。3回仕切り直した上での敗戦は動揺の表れだったのだろう。
その不安を一蹴した動きで手をついた。
安馬の目も鋭く見えた。優勝候補に一矢報いれば来場所の自信にもなろう。
ただ、その動きは、今まで見た中で無い程に早かった。
殆んど腰を浮かせる事無く安馬と組んだ長身の琴欧州が仕掛けていた。
足掻いた安馬の身体を逃がさずにそのまま土俵外で腹ばいにした。
一瞬ではあるが、琴欧州の目は安馬の動きがどうであれ対応できただろう。たとえ一瞬とは言えスピードで並んだのだから特筆すべきだろう。
そして、業師の名を持ちながら正面からぶつかった安馬にも賞賛は送るべきだろう。
左右に変化すれば、苦戦は必至だっただろう。そうしなかったのは勝負を挑んだからか、それとも琴欧州の動きが勝ったのか。
勝負は其処まで。
どちらにしろ、琴欧州は勝ち名乗りを受け、安馬は動じず土俵を降りた。

拍手と歓声。花道に控えていた横綱白鳳の視線が僅かに下がった。朝青龍は厳しい顔でそれを見送った。
一際大きな歓声があがり、客席で白髪の大男が立ち上がった。
ブルガリアの国旗をもち拍手に応えるのは琴欧州の父親だという。
その姿に一瞬だけ目線を送った時、その端整な顔から緊張が落ちた。
大きく深呼吸して花道を戻る長身はどこか優雅に見えた。

「感動で言葉が無いです」
そうインタビューに答えた言葉まで力士らしくなっている。
ヨーロッパ初の優勝力士として名を残す琴欧州の躍進を期待している。

・・・あれ?こなんなに相撲好きだったんだ!?
と、思った20分だったなぁ。
日本人力士も頑張って欲しい所・・・だが、おめでとう琴欧州関。
相撲の歴史に色々と歴史をつくってくれ!!
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相撲・凝視

なんか描写うまいなあ。表情とかよく捉えてるし。
そんな相撲好きとは知らなかったけど。
  • 従兄
  • 2008/05/25(Sun)00:39:37
  • 編集

日本の国技ですから。

訂正・今場所で安馬が破った横綱は白鳳でした。
朝青龍には負けてますんで・・・。
追記・琴欧州よりステファンお父さんの方がゴツイ事実。ちなみにカロヤンが琴欧州の名前。
  • あべのさん
  • 2008/05/25(Sun)18:55:10
  • 編集

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